一番やりたかったこと。それはね。
息子が生まれて間もなくのこと。
ローカルテレビを見ていたら、
しょっちゅう行っていた居酒屋が映った。
「ああ、今度いつ行けるんだろう」と思ったら、赤ちゃんを抱っこしてるのに、ハラリと涙がでた。
あの頃は、赤ちゃん優先の生活を覚悟して実践していたけど、やっぱり覚悟は足りなくて。「なんにもできない。なんにもできない」と焦っていた。
でもある日。
野口昭子さんのエッセイを読んでいたら、
「心の持ち方を変えれば、世界はまったく違って見える」というような内容の一文に出逢った。
「ああ、私はなんにもできない、なんにもできないって思っていたけど、子どもを産んで育てるって、根幹で一番やりたかったことじゃない?」
って突然として、パッと世界が変わった。
「この子が生まれてこの一年は私の人生の1/40に過ぎないけれど、この子にとってはいまが全てなんだ」
と思えた。
そして、急に嬉しくなった。
赤ちゃんは、可愛がれば可愛がるほど、可愛くなる。そう思えたら、可愛がらずにはいられなかった。
T先生にそのことを一部始終報告したことを昨日のことのように覚えている。
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